
アセチレンガスは、酸素等の助燃性物質がなくても、加圧下では自己分解を起こして多量の熱を発生する活性に富んだガスですが、工業的には、アセトンまたはDMF(ジメチルフォルムアミド)を浸透させた多孔質の固形マスを詰めた容器に圧縮され、充填されています。仮に気相で分解爆発が起こっても、「溶解」された液相のガスにまでは伝わらないという、極めて高い安全性を確保した状態で流通・消費されています。
アセチレンガスの製法としては、石油から製造する蓄熱炉式熱分解法や、天然ガスを原料とする部分燃焼法、さらに完全燃焼法や電弧法等がありますが、「溶解アセチレン」はすべてカーバイド法によって生産されています。カーバイド法とは、基本的には「アセチレンランプ」と同じ原理のものを工業的に確立したものです。
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